だれかが“ 藤井 対 藤井 “とコメントしていた。
「なるほど」っと思った。
「藤井さんの指し手はすべてに意味があるんです。」という永瀬王座。
他局の時の王座は序盤はほぼ持ち時間を使わず淡々と指し続けた。
時間差を大差に終局時に持ち時間を多く残す対局もあったのに、この王座戦は一手一手に藤井くんの手の意味を読み取り、藤井くんの思考回路をなぞり、その先の手を探る。
藤井くんはいつも通り最善の1手を指すために読みを深める。
過去の自分に8割勝てるように、今より強くなっているであろう先の自分に勝てることを目標に研鑽する藤井くん。
今期の王座戦は藤井くんが現在の藤井くんに向き合う戦いなのかもしれない。
そう思うと納得がいく。
王座戦タイトル戦は3局とも藤井くんにいいところがあんまりないなぁ。っと(どの立場でどの口が言ってんねん、というのは置いておいて)思っていたけど、対戦相手は疑似藤井聡太なのだ。
人間をやめて、揮毫の通り「鬼」になって「聡」太に向かって、見たことのない景色に連れて行こうとする永瀬王座。
佐々木勇気八段の過去の発言で
「藤井さんの先手角換わりを藤井さんがどう受けるかが見てみたい」
というのがあった。
永瀬さんが倒れるほど努力して見せてくれてるよ。
見て! 勇気!
王座の圧倒的勝勢を最後の詰みまで読んでいたであろう絶望の藤井くん。
負けを認めながら、それでも勝ちの可能性がなくなるまで、最後の最後まで指し続ける。
その心の強さに将棋の神様が勝利へのきっかけを与えてくれたんだと思った。
エアポケット
はまった永瀬王座。
残すところあと2局。
次で決まるのか、最終局までもつれ込むのか。
このタイトル戦の意義に気づいた自分は、評価値を見ながら一喜一憂するのはもうやめようと思った。
(たぶんむりだけど。)
精神科の先生の、思う存分好きなことを楽しむための健康アドバイスみつけました。
「目の前のことに一喜一憂するのはやめてみる」